2024年05月09日
「要するに今日は私と話がしたい訳だな?」
「要するに今日は私と話がしたい訳だな?」
だから三津はすぐ様部屋を出たのだと理解した。それだけ二人は意思の疎通が出来ているとも理解して何だか複雑だ。
ようやく分かってもらえたかと入江はにっと笑みを浮かべて本題に入った。
「今日有朋が三津に縋ったんです。」
「あぁさっきの話はそれか。それで?」
「私が思っとるよりアイツは繊細でした。晋作がおらんくなったら潰れそうで。」
「そうか……。乗り越えるには時間を要するか。三津は何と?」
「有朋ぐらい救える自信はあると。」
それを聞いて桂は吹き出した。やっぱり山縣に対する扱いはそんな感じかと笑った。
「有朋もそれにまんまと乗せられちょったんで。でも私の前でも泣くぐらいに情緒は不安定でした。私も晋作は年を越せるんか不安で。」
「そんなに状態は良くないのか。」
入江は無言で頷いた。
様子を見に行く事が出来てない桂は唇を噛みしめた。仲間の為に時間を作れてない自分が腹立たしい。
「晋作の気力を信じよう。あれはあれでしぶといだろ?」
そう言って笑ってみせるのが桂の精一杯だった。入江は確かにと笑みを浮かべた。でもそれは一瞬ですぐに翳りを見せた。
桂は何も言葉をかけてやれなかった。近くで様子を見ている入江の方が高杉の状態を把握している。よく分かっていない自分が言葉をかけた所で何の慰みにもならないと分かっている。
『最期の時は……看取ってやりたいな……。』 https://ameblo.jp/freelance12/entry-12850835805.html https://www.liveinternet.ru/users/freelance12/post505038180// https://plaza.rakuten.co.jp/aisha1579/diary/202405040000/
桂は仰向けになり小さく息を吐いた。
「私も……覚悟はしちょりますがその瞬間を迎えた時……私と有朋……三津にどれだけの負担をかけるでしょうか……。」
その言葉に天井を見上げていた桂は顔だけ入江に向けた。
入江の顔も桂の方を向いており,その顔は弱々しく笑っていた。
「そうだな……。君達を受け止めて疲れた彼女を包むのが私の役目だろう?」
「……不安です。」
「失礼な奴だな。」
お前にそんな役が担えるのか?と言ってるような目で見られて桂は不快感を顕にした。
「私で力不足なら君らで補い合えばいいだろ。」
どうせ最初からそのつもりだろと桂は不貞腐れた。その姿に入江は目を丸くしてからくくっと喉を鳴らした。
その表情が歳の割に幼く見えて可笑しかった。
「みっ,三津とアヤメさんが木戸さんが可愛いと言う意味が今分かりました。確かに拗ねた姿は可愛いですね。」
「心外だ。」
「やっぱり一度だけいいですか?」
「は?何の話……。」
一瞬だった。完全に油断していた。
『私達は真面目な話をしてたはずだ。そうだ晋作についてのとても大事な話だ。なのに何故今私は九一に口づけられている?
あぁ,夢か。私は疲れてるんだな……。そうだ,これは夢だ……。』
桂はそのまま意識を飛ばした。
「木戸さん?おーい木戸さーん。……おやすみなさーい。」
まだ話したい事はあったが話し相手が意識を失ってしまったならば仕方ない。入江は何食わぬ顔で就寝した。
翌朝,入江がすっきり目を覚まして横を見ると桂は姿を消していた。
「ふふっ逃げた。」
さて,どう揶揄ってやろうかと笑みを浮かべて身支度を整えた。
広間に行くと配膳する三津の後ろをついて回る桂を見つけた。
「木戸さんおはようございます。昨日の続きは今夜しますか?」
背後からの声に桂はビクッと体を揺らした。
「おはようございます九一さん。えっ小五郎さん話の途中で寝てもたん?」
きょとんと首を傾げる三津に入江はおはようと満面の笑みを向けた。
「寝たっていうか気絶?そんな刺激的な事はしとらんのやけど。」
入江が桂に目を向けると桂はサッと三津の後ろに身を隠そうとした。
「待って何したの。」
だから三津はすぐ様部屋を出たのだと理解した。それだけ二人は意思の疎通が出来ているとも理解して何だか複雑だ。
ようやく分かってもらえたかと入江はにっと笑みを浮かべて本題に入った。
「今日有朋が三津に縋ったんです。」
「あぁさっきの話はそれか。それで?」
「私が思っとるよりアイツは繊細でした。晋作がおらんくなったら潰れそうで。」
「そうか……。乗り越えるには時間を要するか。三津は何と?」
「有朋ぐらい救える自信はあると。」
それを聞いて桂は吹き出した。やっぱり山縣に対する扱いはそんな感じかと笑った。
「有朋もそれにまんまと乗せられちょったんで。でも私の前でも泣くぐらいに情緒は不安定でした。私も晋作は年を越せるんか不安で。」
「そんなに状態は良くないのか。」
入江は無言で頷いた。
様子を見に行く事が出来てない桂は唇を噛みしめた。仲間の為に時間を作れてない自分が腹立たしい。
「晋作の気力を信じよう。あれはあれでしぶといだろ?」
そう言って笑ってみせるのが桂の精一杯だった。入江は確かにと笑みを浮かべた。でもそれは一瞬ですぐに翳りを見せた。
桂は何も言葉をかけてやれなかった。近くで様子を見ている入江の方が高杉の状態を把握している。よく分かっていない自分が言葉をかけた所で何の慰みにもならないと分かっている。
『最期の時は……看取ってやりたいな……。』 https://ameblo.jp/freelance12/entry-12850835805.html https://www.liveinternet.ru/users/freelance12/post505038180// https://plaza.rakuten.co.jp/aisha1579/diary/202405040000/
桂は仰向けになり小さく息を吐いた。
「私も……覚悟はしちょりますがその瞬間を迎えた時……私と有朋……三津にどれだけの負担をかけるでしょうか……。」
その言葉に天井を見上げていた桂は顔だけ入江に向けた。
入江の顔も桂の方を向いており,その顔は弱々しく笑っていた。
「そうだな……。君達を受け止めて疲れた彼女を包むのが私の役目だろう?」
「……不安です。」
「失礼な奴だな。」
お前にそんな役が担えるのか?と言ってるような目で見られて桂は不快感を顕にした。
「私で力不足なら君らで補い合えばいいだろ。」
どうせ最初からそのつもりだろと桂は不貞腐れた。その姿に入江は目を丸くしてからくくっと喉を鳴らした。
その表情が歳の割に幼く見えて可笑しかった。
「みっ,三津とアヤメさんが木戸さんが可愛いと言う意味が今分かりました。確かに拗ねた姿は可愛いですね。」
「心外だ。」
「やっぱり一度だけいいですか?」
「は?何の話……。」
一瞬だった。完全に油断していた。
『私達は真面目な話をしてたはずだ。そうだ晋作についてのとても大事な話だ。なのに何故今私は九一に口づけられている?
あぁ,夢か。私は疲れてるんだな……。そうだ,これは夢だ……。』
桂はそのまま意識を飛ばした。
「木戸さん?おーい木戸さーん。……おやすみなさーい。」
まだ話したい事はあったが話し相手が意識を失ってしまったならば仕方ない。入江は何食わぬ顔で就寝した。
翌朝,入江がすっきり目を覚まして横を見ると桂は姿を消していた。
「ふふっ逃げた。」
さて,どう揶揄ってやろうかと笑みを浮かべて身支度を整えた。
広間に行くと配膳する三津の後ろをついて回る桂を見つけた。
「木戸さんおはようございます。昨日の続きは今夜しますか?」
背後からの声に桂はビクッと体を揺らした。
「おはようございます九一さん。えっ小五郎さん話の途中で寝てもたん?」
きょとんと首を傾げる三津に入江はおはようと満面の笑みを向けた。
「寝たっていうか気絶?そんな刺激的な事はしとらんのやけど。」
入江が桂に目を向けると桂はサッと三津の後ろに身を隠そうとした。
「待って何したの。」
Posted by energyelaine at 03:32│Comments(0)