2024年03月12日
「そう,彼女は私達を探してくれてるのか
「そう,彼女は私達を探してくれてるのか。律儀だね。
ひとまず彼女が何者か知る必要はあるな。多分江戸から壬生狼の誰かに会いに来たのは間違いないと思うから,宿といつまでここに滞在するのかは調べないと。
葛きりは彼女が京を発った後でも構わないだろう。」
つまりは彼女に会うつもりはない。三人は声を揃えて御意とだけ言って桂の部屋を後にした。
「意外と冷たかったね桂さん。美人だったからてっきりお礼受けると思ってた。」
つまんないと入江がぼやくが久坂はそれが妥当と思った。https://carinacyril.blogg.se/2024/march/entry.html https://paul.asukablog.net/Entry/3/ https://paul.3rin.net/Entry/3/
壬生狼の関係者だ。三津を関わらせたくはないだろう。もしまたあっちに連れ戻される事なんてあればそれこそ真っ向からの戦だ。
「壬生狼の知人からの恩返しなんて何を返されるか分からんな。仇で返されちゃたまったもんじゃない。」
久坂の言葉に吉田は同感だと笑った。
「もし彼女を助けたのが桂さんと三津だと知れたら彼女をだしに引きずり出してこようとするのは目に見えてるしね。」
「でも土方は何もしないんじゃない?三津さんにあんな事したのバレたらまずいんじゃないの?」
入江の一言に吉田と久坂は確かにと思って顔を見合わせた。
「俺らまで結局面倒事に足突っ込んでる気はするけど調べたら面白い案件かもね。」
退屈しないと入江は口角を持ち上げた。
翌日三人は各々の手段で身辺調査に出た。
「珍しいですね。皆さん早々に出払って。」
お陰で室内の掃除は捗りますと三津は笑った。
そう。さっきまではそう思った。さっきまでは。
「みんなが居ないから気兼ねなく私の部屋で寛げるだろ?」
屋敷内が静かだからここぞとばかりに大掃除にかかろうとした矢先,桂に捕まった。勿論サヤとアヤメは暗黙の了解で見て見ぬふり。
桂の部屋に引きずり込まれた三津は桂の膝の上にちょんと座らされ,桂はそのままごく普通に書状に目を通す。
「寛ぐどころか落ち着きませんね。」
「そう?私は癒やされてるよ。三津が膝に乗ってくれてるからね。背中じゃないのがちょっと残念だけど。」
『根に持ってはる……。』
それを言われたら大人しくしてるしかない。考えても見れば想いを通わせてる相手がどんな事情であれ他の異性の背中に跨ってるなんて。
『根に持つどころか末代まで呪うよね。』
これで済むなら桂の処置は寛大だ。三津は心の中で手を合わせて拝んだ。「それよりも私の目に入る位置で広げていいんですか?重要な事書いてるんやないんですか?」
「構わないよ。三津には何の話か分からないだろうし誰に密告する訳でもない。
それに全部が全部重要な物でもない。大半がくだらない話だよ。」
それでも目を通さなければならないから余計な仕事が増えるだけだと溜息混じりに洩らした。
「でもこうして三津がここに居るとやる気が出るよ。」
そう言って目の前の首筋を鼻先でくすぐって捩れる体を抑えつけて首筋に吸いついた。
やる気はやる気でも違うやる気が唆られる。
「違うやる気出さないでください!集中を欠くようなので私も仕事に戻ります!」
「分かったよちゃんと仕事に集中するよ。来てくれてありがとう。」
もう一度首筋に口づけて三津を解放した。三津は耳まで赤くして部屋を飛び出した。
どうせまた目に付く所に痕をつけられたに違いない。これじゃ恥ずかしくて屋敷内を歩けやしない。
急いで廊下を歩いていると,
「明るいうちから情婦引きずり込んでいい御身分だよなぁ。腰抜けの癖に。」
あからさまな悪口が背後から聞こえて来て足を止めて振り返った。
くすくすと笑いながら蔑む目でこちらを見てくる二人組。悪いが名前は知らない。関わった記憶もない二人だ。
ひとまず彼女が何者か知る必要はあるな。多分江戸から壬生狼の誰かに会いに来たのは間違いないと思うから,宿といつまでここに滞在するのかは調べないと。
葛きりは彼女が京を発った後でも構わないだろう。」
つまりは彼女に会うつもりはない。三人は声を揃えて御意とだけ言って桂の部屋を後にした。
「意外と冷たかったね桂さん。美人だったからてっきりお礼受けると思ってた。」
つまんないと入江がぼやくが久坂はそれが妥当と思った。https://carinacyril.blogg.se/2024/march/entry.html https://paul.asukablog.net/Entry/3/ https://paul.3rin.net/Entry/3/
壬生狼の関係者だ。三津を関わらせたくはないだろう。もしまたあっちに連れ戻される事なんてあればそれこそ真っ向からの戦だ。
「壬生狼の知人からの恩返しなんて何を返されるか分からんな。仇で返されちゃたまったもんじゃない。」
久坂の言葉に吉田は同感だと笑った。
「もし彼女を助けたのが桂さんと三津だと知れたら彼女をだしに引きずり出してこようとするのは目に見えてるしね。」
「でも土方は何もしないんじゃない?三津さんにあんな事したのバレたらまずいんじゃないの?」
入江の一言に吉田と久坂は確かにと思って顔を見合わせた。
「俺らまで結局面倒事に足突っ込んでる気はするけど調べたら面白い案件かもね。」
退屈しないと入江は口角を持ち上げた。
翌日三人は各々の手段で身辺調査に出た。
「珍しいですね。皆さん早々に出払って。」
お陰で室内の掃除は捗りますと三津は笑った。
そう。さっきまではそう思った。さっきまでは。
「みんなが居ないから気兼ねなく私の部屋で寛げるだろ?」
屋敷内が静かだからここぞとばかりに大掃除にかかろうとした矢先,桂に捕まった。勿論サヤとアヤメは暗黙の了解で見て見ぬふり。
桂の部屋に引きずり込まれた三津は桂の膝の上にちょんと座らされ,桂はそのままごく普通に書状に目を通す。
「寛ぐどころか落ち着きませんね。」
「そう?私は癒やされてるよ。三津が膝に乗ってくれてるからね。背中じゃないのがちょっと残念だけど。」
『根に持ってはる……。』
それを言われたら大人しくしてるしかない。考えても見れば想いを通わせてる相手がどんな事情であれ他の異性の背中に跨ってるなんて。
『根に持つどころか末代まで呪うよね。』
これで済むなら桂の処置は寛大だ。三津は心の中で手を合わせて拝んだ。「それよりも私の目に入る位置で広げていいんですか?重要な事書いてるんやないんですか?」
「構わないよ。三津には何の話か分からないだろうし誰に密告する訳でもない。
それに全部が全部重要な物でもない。大半がくだらない話だよ。」
それでも目を通さなければならないから余計な仕事が増えるだけだと溜息混じりに洩らした。
「でもこうして三津がここに居るとやる気が出るよ。」
そう言って目の前の首筋を鼻先でくすぐって捩れる体を抑えつけて首筋に吸いついた。
やる気はやる気でも違うやる気が唆られる。
「違うやる気出さないでください!集中を欠くようなので私も仕事に戻ります!」
「分かったよちゃんと仕事に集中するよ。来てくれてありがとう。」
もう一度首筋に口づけて三津を解放した。三津は耳まで赤くして部屋を飛び出した。
どうせまた目に付く所に痕をつけられたに違いない。これじゃ恥ずかしくて屋敷内を歩けやしない。
急いで廊下を歩いていると,
「明るいうちから情婦引きずり込んでいい御身分だよなぁ。腰抜けの癖に。」
あからさまな悪口が背後から聞こえて来て足を止めて振り返った。
くすくすと笑いながら蔑む目でこちらを見てくる二人組。悪いが名前は知らない。関わった記憶もない二人だ。
Posted by energyelaine at 20:58│Comments(0)