2023年12月24日
土方は声を荒げて文机をバンバン叩き
土方は声を荒げて文机をバンバン叩きつける。
「土方さんの小姓って言うよりも効果覿面だと思いますけど?」
総司の悪意に満ちた笑みに土方の額にはいつも以上の青筋が浮かぶ。
「あいつに暇はやったが外に出る許可はやってない。
勝手に黙って出た事についてはお前共々じっくり灸を据えてやる。」 http://kiya.blog.jp/archives/23352105.html https://blog.aujourdhui.com/jennifer9922/2699871/21513---30000---12399---26690---12364---38646---12375---12383---37202---12434---25163---25325.html https://yvision.kz/post/-979459
何も知らずにお茶を運んで来た三津は部屋に入るなり鋭い視線に射抜かれて,お決まりの拳骨を落とされた。
「てめぇらそこに直れ!
お前ら二人揃うとろくな事がねぇ!」
土方の前に正座をさせられお説教が始まった。
「沖田さん何したん?」
ツンツンと肘でつつくと,
「土方さんは三津さんの姿が見えないから心配してたそうです。
黙って勝手に出かけちゃ駄目だって。」
それを聞いた三津は怪訝そうに土方を見上げた。
誤解されては困る,心配なんてしていない。
土方が否定しようとするより先に三津が口を開いた。
「言う事がお父さんみたい。」
お父さん。
この年齢でこんな大きな娘がいるのか俺は。
いや,こんな色男が父親ならば鼻高々だろうよ。だが問題はそこじゃない。
「誰が誰の父親だって?
てめぇなんか娘でも願い下げだ。妾だなんてとんでもねぇ。」
三津の頬をつねり上げ苛立ちをぶつけた。
「妾!?何の話?」
三津の目は瞬き,土方はしまったと眉をぴくりと動かした。
その横で総司は笑い声を押し殺して肩を震わせる。
総司にかかれば土方も玩具だ。これしきで取り乱して副長が務まるか。
土方は咳払いを一つついた。
「三津,罰として道場磨いて来い。総司,てめぇはそこで正座だ。」
妾って何の話?と問い続ける三津を廊下につまみ出して,けたけた笑う総司を廊下に正座させた。
『罰って何?私休みになったんよね?
しかも妾って私の事?』
本当に土方が心配してたなんて信じられるはずもないし,何が悪かったかが分からない。
それに加えて謎の妾発言。
一体何の事なんだか。
あれこれ考えながら廊下を歩いていると,曲がり角で人とぶつかった。
小柄な三津は弾みで尻餅をついてしまった。
おまけに鼻もぶつけた。
「すまん,大丈夫か?」
手を差し伸べてくれた相手を見て,三津は鼻を押さえながら目を丸くした。
「初めまして?」
首を傾げながら見上げると,相手はじっと三津の目を見つめて静かに頷いた。
「そうですよね!三津と申します。」
ここが廊下だと思わせないぐらい正座をして丁寧に頭を下げた。
「斉藤だ。悪かったな,急いでいる所。」
斉藤は三津の腕を掴んで軽々と立ち上がらせた。
そして何事も無かったように静かに姿を消した。
三津も斉藤の存在をさほど気にせず,小走りで廊下を駆けて行った。
三津が文句も言わず,黙々と道場の床磨きに励んでいると隊士たちが集まって来た。
道場の掃除なら稽古の終わりに自分たちがやったのに。
不思議に思いながらも,着物の隙間から見える脚を目当てに群がっていた。
「三津さん,床磨きならもうしてありますよ?」
三津は声をかけられて自分が観察されてた事に気付いた。
恥ずかしさを誤魔化すように笑いながら隊士たちに駆け寄った。
「副長命令なんで。」
三津はむっと眉間にシワを作り,指で眉尻を吊り上げて土方の表情を再現した。
“あぁ似てる!”と手を叩いて喜ぶ隊士に三津は満足げに微笑んだ。
だてに不機嫌な顔を拝んでないもの。
「皆さんはどうしたんですか?」
私に何か用があったんじゃ?と首を傾けた。
流石に脚を見に来たなんて堂々と言える強者は居ない。
「あの,えっと…。
あ!大部屋の掃除を手伝ってもらえないかと!」
苦し紛れの言い訳だったが三津は快く頷いた。
それぐらいお安いご用と胸を張る。
自分は非番になった事も忘れて。
「土方さんの小姓って言うよりも効果覿面だと思いますけど?」
総司の悪意に満ちた笑みに土方の額にはいつも以上の青筋が浮かぶ。
「あいつに暇はやったが外に出る許可はやってない。
勝手に黙って出た事についてはお前共々じっくり灸を据えてやる。」 http://kiya.blog.jp/archives/23352105.html https://blog.aujourdhui.com/jennifer9922/2699871/21513---30000---12399---26690---12364---38646---12375---12383---37202---12434---25163---25325.html https://yvision.kz/post/-979459
何も知らずにお茶を運んで来た三津は部屋に入るなり鋭い視線に射抜かれて,お決まりの拳骨を落とされた。
「てめぇらそこに直れ!
お前ら二人揃うとろくな事がねぇ!」
土方の前に正座をさせられお説教が始まった。
「沖田さん何したん?」
ツンツンと肘でつつくと,
「土方さんは三津さんの姿が見えないから心配してたそうです。
黙って勝手に出かけちゃ駄目だって。」
それを聞いた三津は怪訝そうに土方を見上げた。
誤解されては困る,心配なんてしていない。
土方が否定しようとするより先に三津が口を開いた。
「言う事がお父さんみたい。」
お父さん。
この年齢でこんな大きな娘がいるのか俺は。
いや,こんな色男が父親ならば鼻高々だろうよ。だが問題はそこじゃない。
「誰が誰の父親だって?
てめぇなんか娘でも願い下げだ。妾だなんてとんでもねぇ。」
三津の頬をつねり上げ苛立ちをぶつけた。
「妾!?何の話?」
三津の目は瞬き,土方はしまったと眉をぴくりと動かした。
その横で総司は笑い声を押し殺して肩を震わせる。
総司にかかれば土方も玩具だ。これしきで取り乱して副長が務まるか。
土方は咳払いを一つついた。
「三津,罰として道場磨いて来い。総司,てめぇはそこで正座だ。」
妾って何の話?と問い続ける三津を廊下につまみ出して,けたけた笑う総司を廊下に正座させた。
『罰って何?私休みになったんよね?
しかも妾って私の事?』
本当に土方が心配してたなんて信じられるはずもないし,何が悪かったかが分からない。
それに加えて謎の妾発言。
一体何の事なんだか。
あれこれ考えながら廊下を歩いていると,曲がり角で人とぶつかった。
小柄な三津は弾みで尻餅をついてしまった。
おまけに鼻もぶつけた。
「すまん,大丈夫か?」
手を差し伸べてくれた相手を見て,三津は鼻を押さえながら目を丸くした。
「初めまして?」
首を傾げながら見上げると,相手はじっと三津の目を見つめて静かに頷いた。
「そうですよね!三津と申します。」
ここが廊下だと思わせないぐらい正座をして丁寧に頭を下げた。
「斉藤だ。悪かったな,急いでいる所。」
斉藤は三津の腕を掴んで軽々と立ち上がらせた。
そして何事も無かったように静かに姿を消した。
三津も斉藤の存在をさほど気にせず,小走りで廊下を駆けて行った。
三津が文句も言わず,黙々と道場の床磨きに励んでいると隊士たちが集まって来た。
道場の掃除なら稽古の終わりに自分たちがやったのに。
不思議に思いながらも,着物の隙間から見える脚を目当てに群がっていた。
「三津さん,床磨きならもうしてありますよ?」
三津は声をかけられて自分が観察されてた事に気付いた。
恥ずかしさを誤魔化すように笑いながら隊士たちに駆け寄った。
「副長命令なんで。」
三津はむっと眉間にシワを作り,指で眉尻を吊り上げて土方の表情を再現した。
“あぁ似てる!”と手を叩いて喜ぶ隊士に三津は満足げに微笑んだ。
だてに不機嫌な顔を拝んでないもの。
「皆さんはどうしたんですか?」
私に何か用があったんじゃ?と首を傾けた。
流石に脚を見に来たなんて堂々と言える強者は居ない。
「あの,えっと…。
あ!大部屋の掃除を手伝ってもらえないかと!」
苦し紛れの言い訳だったが三津は快く頷いた。
それぐらいお安いご用と胸を張る。
自分は非番になった事も忘れて。
Posted by energyelaine at 17:55│Comments(0)