2024年03月05日
ご機嫌な三津を玄関先まで送り届けて
ご機嫌な三津を玄関先まで送り届けて名残惜しげに別れの挨拶。
「今日は付き合ってくれてありがとうございます。」
「こちらこそ久しぶりに町に出られて楽しかったです!
それと根付けもありがとうございます。大切にします兄上。」
帯からぶら下がる花の飾りを優しく指で撫でて目尻を垂れ下げた。
兄上と言う響きが心地よくて久坂の頬も緩みっぱなしだった。
「ではまた。」
久坂は軽く会釈をして藩邸へと戻った。http://kiya.blog.jp/archives/24070320.html https://note.com/ayumu6567/n/n9b8fea899067?sub_rt=share_pb https://community.joomla.org/events/my-events/lino-xiano-muto-muga-hetta.html
『斎藤とはやはり仲が良かったんだな。三津さんも然ることながら斎藤のあの穏やかな顔……。』
一瞬だけ見せたやわらかな笑みが思い出される。
もし本当に自分が三津の兄だとしたら桂より斎藤の嫁に出したいとちょっと思う。
「桂さん。久坂です戻りました。」
桂の部屋に声を掛ければどうぞと短い返事があった。
書物をしている桂は筆を走らせながら,
「楽しかったかい?」
少しの嫉妬を混ぜて問いかけた。
「お陰でいい物が買えました。お礼に三津さんにも根付けを渡してますのでそこは責めないであげて下さい。私が押し付けたので。」
桂は筆を置いて久坂の方へ向き直った。
「そうか分かった。それで彼には会えたかい?」
「えぇ。きっとずっと近くに居たんでしょうね。」
三津を連れ出す際に桂が出した条件。
“斎藤君が居たら話をさせてあげて。”
どう言うつもりで何の意味があるのか分からなかった。
三津に何かあったらどうする?と思ったが,もしもの時は斬っちゃって。とあっけらかんと言われた。
「やっぱり彼は三津の事心配してた?ここ最近この辺に来てたけどどうも彼が調べてたのは土方君の事だったんだ。」
『あぁ……斎藤一は気付いたんだ。土方がした事。』
ただ事実かどうか最終的には当人に聞くしか無いがそれは出来ない。
でももしかしたら三津には会えるかもしれない。
そしてそれが事実なら,傷ついてるであろう三津が心配で。
「律儀な男でしたよ。去り際に借りは返すと言い残して行きました。」
『とても律儀だ。三津さんを抱きしめるにも御免許せとこっちに言った。
斎藤一は三津さんを桂さんのモノだと認めてる。
大した男だよ。』
立場を弁え理性を保てる。やっぱり三津を嫁にやるなら斎藤の方がいいと思った。「三津さんを見てると松陰先生の気持ちになるんですよ。
松陰先生が文を可愛がってたのと同じような気持ちに。」
「あっははは!玄瑞は三津をそう言う風に見てたのか。」
周りは敵だらけと思っていただけにほっとした。
「はい,世話を焼きたくなる妹ですね。なので兄から言わせていただくと桂さんの元に置いておくのは嫌です。」
「やっぱり敵か。」
にこやかに聞いていた顔は一瞬で真顔に戻った。
こっちは相思相愛だ。何故いきなりしゃしゃり出てきた偽兄に,お前に妹はやらんと言われなければならないんだ。
「泣かせず幸せにしてあげて下さいね。それでは失礼します。」
言いたい事は言ったんでと頭を下げて早々に部屋を出た。
「言われなくともそうするつもりだ。」
失礼な奴だなと思いつつも唐突ではあるが兄のような振る舞いをする久坂が新鮮で口端を上げた。
夕方帰宅した桂は出迎えた三津の帯にある根付けを見て笑みを浮かべた。
「これか。兄からの贈り物は。楽しかったみたいだね久しぶりの町は。」
「最初はちょっとヒヤヒヤしてましたけどね。要注意人物同士で出掛けたので。すぐに夕餉の支度しまーす。」
三津は声を弾ませて台所へ。
『ご機嫌だな。町に出たのが楽しかったのか斎藤君に会えたのが嬉しかったのか。』
後者であるなら複雑な気分だ。
気付かれないように台所へ踏み込んで背後から強く抱きしめた。
「うわ!びっくりした!」
気配を消して近付かないでと怒った顔をして見せたが,へらへら笑ってごめんねと軽く口づけをされた。
「もぉ!」
機嫌を損ねてしまった三津に悪かったとも
う一度唇を重ねた。今度は舌を割り入れて深く貪った。
「今日は付き合ってくれてありがとうございます。」
「こちらこそ久しぶりに町に出られて楽しかったです!
それと根付けもありがとうございます。大切にします兄上。」
帯からぶら下がる花の飾りを優しく指で撫でて目尻を垂れ下げた。
兄上と言う響きが心地よくて久坂の頬も緩みっぱなしだった。
「ではまた。」
久坂は軽く会釈をして藩邸へと戻った。http://kiya.blog.jp/archives/24070320.html https://note.com/ayumu6567/n/n9b8fea899067?sub_rt=share_pb https://community.joomla.org/events/my-events/lino-xiano-muto-muga-hetta.html
『斎藤とはやはり仲が良かったんだな。三津さんも然ることながら斎藤のあの穏やかな顔……。』
一瞬だけ見せたやわらかな笑みが思い出される。
もし本当に自分が三津の兄だとしたら桂より斎藤の嫁に出したいとちょっと思う。
「桂さん。久坂です戻りました。」
桂の部屋に声を掛ければどうぞと短い返事があった。
書物をしている桂は筆を走らせながら,
「楽しかったかい?」
少しの嫉妬を混ぜて問いかけた。
「お陰でいい物が買えました。お礼に三津さんにも根付けを渡してますのでそこは責めないであげて下さい。私が押し付けたので。」
桂は筆を置いて久坂の方へ向き直った。
「そうか分かった。それで彼には会えたかい?」
「えぇ。きっとずっと近くに居たんでしょうね。」
三津を連れ出す際に桂が出した条件。
“斎藤君が居たら話をさせてあげて。”
どう言うつもりで何の意味があるのか分からなかった。
三津に何かあったらどうする?と思ったが,もしもの時は斬っちゃって。とあっけらかんと言われた。
「やっぱり彼は三津の事心配してた?ここ最近この辺に来てたけどどうも彼が調べてたのは土方君の事だったんだ。」
『あぁ……斎藤一は気付いたんだ。土方がした事。』
ただ事実かどうか最終的には当人に聞くしか無いがそれは出来ない。
でももしかしたら三津には会えるかもしれない。
そしてそれが事実なら,傷ついてるであろう三津が心配で。
「律儀な男でしたよ。去り際に借りは返すと言い残して行きました。」
『とても律儀だ。三津さんを抱きしめるにも御免許せとこっちに言った。
斎藤一は三津さんを桂さんのモノだと認めてる。
大した男だよ。』
立場を弁え理性を保てる。やっぱり三津を嫁にやるなら斎藤の方がいいと思った。「三津さんを見てると松陰先生の気持ちになるんですよ。
松陰先生が文を可愛がってたのと同じような気持ちに。」
「あっははは!玄瑞は三津をそう言う風に見てたのか。」
周りは敵だらけと思っていただけにほっとした。
「はい,世話を焼きたくなる妹ですね。なので兄から言わせていただくと桂さんの元に置いておくのは嫌です。」
「やっぱり敵か。」
にこやかに聞いていた顔は一瞬で真顔に戻った。
こっちは相思相愛だ。何故いきなりしゃしゃり出てきた偽兄に,お前に妹はやらんと言われなければならないんだ。
「泣かせず幸せにしてあげて下さいね。それでは失礼します。」
言いたい事は言ったんでと頭を下げて早々に部屋を出た。
「言われなくともそうするつもりだ。」
失礼な奴だなと思いつつも唐突ではあるが兄のような振る舞いをする久坂が新鮮で口端を上げた。
夕方帰宅した桂は出迎えた三津の帯にある根付けを見て笑みを浮かべた。
「これか。兄からの贈り物は。楽しかったみたいだね久しぶりの町は。」
「最初はちょっとヒヤヒヤしてましたけどね。要注意人物同士で出掛けたので。すぐに夕餉の支度しまーす。」
三津は声を弾ませて台所へ。
『ご機嫌だな。町に出たのが楽しかったのか斎藤君に会えたのが嬉しかったのか。』
後者であるなら複雑な気分だ。
気付かれないように台所へ踏み込んで背後から強く抱きしめた。
「うわ!びっくりした!」
気配を消して近付かないでと怒った顔をして見せたが,へらへら笑ってごめんねと軽く口づけをされた。
「もぉ!」
機嫌を損ねてしまった三津に悪かったとも
う一度唇を重ねた。今度は舌を割り入れて深く貪った。
Posted by energyelaine at 19:49│Comments(0)